2008-08-14

老いた男に国なんぞ無い/「ノーカントリー」

ノーカントリー2

昨日観た「ノーカントリー」の事でもう今日一日中
頭が一杯なのでした。これ、ぶっちゃけコーエン兄弟が
シャレにならんシャレを思いっきりぶつけたかのような映画で。
当事者意識欠落した人間が作れる映画ではないなーというのが
正直なところ。シャレにならん日常を日常としておれもあんたも
生きている、そしてそれは徹底的に残酷で慈悲もクソも何も
あったもんではない、思いあがった思いは棄てろ、そこには
何も無い!と言い切られてしまったかのような殺伐っぷり。
近年稀に見る残酷極まりない映画だと思いました。

メインとして何しろおかっぱで支離滅裂そのもののキリングマシーン、
シガーが怖過ぎる!むちゃくちゃだ!みたいな事ばっかり
クローズアップされますが、私は案外こいつの怖さには
度肝抜かれる事も無く(無音でパスッと大殺戮で十二分に怖いけど)。
トミー・リー・ジョーンズ先生の名人芸に舌を巻いたものでした。
劇中、ひたすら悩んで学んでどころか悩んで悩んで何も答えが出ない、
という虚しさを抱えているのが保安官のトミー・リー・ジョーンズ先生なので、
猫屋敷での叔父さんとの会話が白眉(迫力が…)とはいえ最初は
人間が持ってる「悪意」についての映画なのかと、その悪意について
悩むのが彼なのかと思っていましたが、それもまあ
アリなのかもしれませんけど、夢の話で希望を持たせてくれたり
そうでなかったり。真人間の「悪夢」についての映画なのかな?とか
勘違いしてみたりもしました。私は基本的にコーエン兄弟は性善説側の
方々なのかなーとか思うので、保安官のオッサンが全てを語るに堕ちる
「運命なんぞままならない、そして皆どうしようもない」という結論に
達するほどシニカルだとも思えませんでした。諦念だらけで厭世的に
なりもしたくなるけれど、それでも夢の話が唐突に出て来るのです。
確かに、おかっぱキリングマシーン、シガーの存在は最早天災としか
思えないくらいですし、狩猟のついでにやばい現ナマを抱えたがために
そんなシガーに追われるハメになってしまったベトナム帰りでヒゲ面の
オッサン、モスの善戦っぷりと強欲さ加減、何も知らないモスの嫁の
いたいけな強さ(でもそれもいとも簡単に…)もかなりの
見どころですが、やっぱり「運命と欲はどうしようもない」けれど
「そうでもないといいのに」という両方で揺れに揺れる
ジョーンズがいいなあ、と。でも、もんのすげー疲れるわ、重いわ、
淡々と「現実離れした現実そのもの」をひたすら突き付けられるうえに
あとはまた皆さん、悩んでね〜♪みたいな超突き放しのどん底に
叩き落されるわでそーとーなまでに集中力使う映画なので、なっかなか
「絶対観てね♪」などと脳天気にほざく事が出来ないのです…。

なのに。私はもの凄く好きだ、この映画。
人間の行動にはどれだけ理由が無いか、弱いか、破天荒か、そして
強いか、ってのを延々と考える事が出来る映画です。感じる映画。
でもやっぱりそれにも意味は無いのだよ、という無限ループが
たとえ待ち構えているとしても。コーエン兄弟の最高傑作だとは
思いませんが(まだまだ伸びしろがある作家兄弟だと思います)、
問題作ではあります。迷っているのだ、という事をこの映画は
呆れるくらい率直にすぽーんと投げっ放しにしているので…。
そしてそれは登場人物全てにいえる事でして…。唯一迷いが無い、
ほとんど神視点に見えるシガーですら、テメーで勝手に決めてる
変なルールに従ってて、それをモスの嫁にあっさり覆されて、
ルールを守るという事はそれが無ければ迷う以外無いのだという事の
証なわけでして。迷いが無いのはモスの嫁のオカンとシガーを追う
刺客のオッサン(ウディ・ハレルソン)くらいなもんかも。あとは
シガーとモスを助けるガキ。笑える登場人物ってったらもう
それっくらいで、あとの人物なりストーリーなりはシンプルとはいえ
迷って迷走しっぱなしです。「不確定要素のみが確定要素である」
という悲惨な事実だけがリアル鬼ごっこなストーリーを支えている、
そんだけです。

こんな映画がオスカーかぁ…。それで二言目には
「血と暴力に彩られてて正義に燃えるアメリカの病んだ部分が〜」とか
言われちゃうんでしょうけれど、そんなのは大義名分でしかなく、
「実際そんなもんなんだろうなあ」と皮膚感覚で怖がらせてくれる
恐ろしい、というかまた冒頭に戻りますが残酷な映画だなと。
解っているけれど、実は解りたくない、そういう事ってあるだろ?と
コーエン兄弟に懇々と御話されたようなくどい気分に弱い私は
左右されまくりでした。今も左右されまくってます。
夢も希望も愛も無い、運命なんてどうしようもない、ただただ
呆然とするのみだ、呆気に取られて死ぬだけだ、でもそれだけじゃ
色気が無い、と。ただ映画として形にしてしまうとこでコーエン兄弟、
迷いは無いですけどね…。乾いてて、無常で無法で、でもそれでも
映像は死ぬほど美しい…。何で劇場で観なかったのさ、私よ。
久しぶりにDVD買おうかと真剣に考えている私が居ますよ。
ある種のどうしようもないロマンに生きる強い部分もある映画だしな。

あ、そうそうこの映画観てて思ったのですが
唐突にニック警部にこの映画の感想を問うてみたいとも。
どっかしらやたらと警部くせえ映画ですよ。
御知り合いの方で全然違う映画ですが(こっちもオスカー取ってんだよな…)
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」をして警部くせえと思った
御方がいらして、それで唐突に思い出しました。モロかぶりとは
言えませんが絶妙に「警部くせえ映画」です。意外と今の警部だと
「何だあのオチはよ〜?!」とか言いそうだけど(苦笑)、
「マーダー・バラッズ」くらいまでのゴールデンエイジ枠警部で。
あとウィル・オールダムを大音量で聴きたい!!という欲求もアリ。

ちなみに「ノーカントリー」は劇中ほぼまともに音楽が流れません。
やっぱりコーエン兄弟は嫌いにはなれません。好きでよかった。
普通にいい映画です。

2008-07-24

永遠に夏休みな兄弟/「間宮兄弟」

間宮兄弟

夏休みにぴったりなまったりした映画を観ましたよー。
その名も「間宮兄弟」。

御話は。間宮兄弟は30代の仲の良い兄弟で何故か同棲生活。
兄ちゃんの明信さん(佐々木蔵之介さん)はビール会社の研究員、
弟さんの徹信さん(ドランクドラゴン塚地さん)は小学校の校務員をやっています。
兄弟は様々な日常の歓びを重ね、何だかとっても楽しそう。
テレビでスコアを付けながら野球を見たりとか紙飛行機を作って飛ばしたりとか
商店街にグリコじゃんけんで行って餃子食べたりとかDVD観て真剣になってたりとか
お布団の中で一日の反省会をしたりとか色々と日々の生活を楽しんでいます。
でもそんな兄弟に無いものが。それは「恋人」。徹信さんは兄ちゃんのため、
同じ学校で働く葛原依子(常盤貴子さん)先生と、レンタルビデオ店員の
直美ちゃん(干される前の沢尻エリカさん)を誘ってカレーパーティーをやる事に。
ふたりの女の子は間宮兄弟んちに来る事になるのですが…。

この映画、何だかとても和みます。
間宮兄弟のつまらなさそうに見えて実は本人たちは
心底楽しそうな他愛も無い日々の積み重ねが凄くいいんです。
「ああ〜、こういう事やってるなあ〜」とか、やってたな〜って
微笑ましく思えるのです。それが淡々と描かれているので
全然嫌味に思えません。他にも兄弟は同僚の不倫トラブルに巻き込まれそうになったり
告白しようとしてベストMD作ったものの思いっきり振られたりとそんな淡々とした日々でも
亀裂が生じたりもしているのですが、それでも何だか呑気に、決して脳天気ではなく
毎日を生きているのです。その生き方が凄く面白くて、興味深い。
にーちゃんがおとうとを思いやる気持ちとか、その逆然りで、兄弟のいない私は
そんなぼんやり気味とはいえ心底確かな気持ちがあるんだなあという事が
とてつもなく羨ましく思えました。

夏休み、この兄弟には多分永遠に新学期というものは来ないかもしれないけれど、
時が止まったままふたりでずっと夏休みを過ごすんだろうなあという心地良さが
あります。それってとても強い事だと思います。結局恋人とか云々、そういう
雑事はあっても無くてもこの兄弟には無関係な事で、いちおう頑張ってはみるものの
それでも二人っきりの夏休みには誰も踏み込めない。夏休み、という空間とか
夏休み、という人生そのものに心血注ぐという生き方もあるのですよね。
そりゃ二人とも勿論御仕事をそれぞれ持っていて、忙殺もされれば暇にもなる。
だけど、ペースはとても、いついつまでもゆったりなまま。
「スローライフ」なんて言葉は大嫌いですが、疲れたな〜ってときに
横になって、ちょうど今頃の季節に冷房効いた御部屋で寝っ転がって
観るにはいい映画だと思います。

ちょうどいい自分の、身の丈の生き方。
兄弟はそれをわきまえて慎ましやかにどこかで
暮らしているのです。それって凄く、潔くて憧れます。
佐々木蔵之介さんが大好きなので観たのですが、
優しくてちょっと気弱で、やや強引?なお兄さんを軽妙洒脱に
演じておられました。何だか岸田森さま系の男前なのに気持ち悪く見えません!!
そして塚地さんもいたいけで優しくて、健気な弟さんでしたよ。
同じ遺伝子持ってるの〜〜〜〜〜〜〜〜〜?!とか一瞬
疑いたくなるようなでこぼこな兄弟ですけれど。
このでこぼこ感も、いいです。日々を生きる事に辛さもしんどさも
あるはずなのに間宮兄弟は二人で皆解決してしまえる強さがあって、
それは見習いたいと思いました。何も起こらない日常、
何かあっても何でもないよと建前無しに過ごせる日常、
必要以上にガツガツしない日常、それのいったい何が悪いのでしょうか?!
日々淡々と消費してゆく生活は、実はそれだけで物凄い痛みを伴うものなので、
間宮兄弟って本当に賢くてたくましいのかもしれませんよ??
永遠に夏休み。だけどそれはそれで何とかやっていくよ、
そんな決意を生まれながらに持っているような間宮兄弟は
何があろうと憎めません。ドラマばかりが日常じゃないのさ〜。

他にはお母さんを訪ねるエピソードがお気に入りです。
お母さんが中島みゆきさんだったかな???
お母さんも旦那様を亡くしているのにのんびり田舎に居るのです。
わたしはまあまあ元気だから、あなたたちも元気で居るのよ。という
不確かかもしれないけれどやっぱり強いお母様なのでした。
そして一番好きなのが登場人物たちの距離感でした。
そうそう切った張ったのやりとりなんて実は実生活そんなに無いし、
つまんない時間のほうが多いのかもしれませんけど、
先生とかビデオ屋の女の子たちとのたどたどしいやり取りとか
「あっ実際こんなもんだよな〜」って思いながら観てました。
映画だからって、人生だからって、すぐに決着つくとは限らないのです。
嫌なやつも居れば、いいやつだって居る。でも兄弟は代わりがいない
その日一日、きちんと過ぎればそれで幸せに眠れれば、良いのかなあ。
ほとばしるような兄弟愛なんてこの映画にはありませんけど、
それでも「普通の日常への愛着、愛情」にはほとばしるものが感じられます。

自転車の速さで、夏休みを駆け抜ける何て事の無い切なさと幸せな気分、
それは夏休みにしか許されない気分なので、間宮兄弟はある意味幸せ者なのかも。
ちょっとドラマを重視する方にはなんだこのつまらん映画は…ってなると思いますが
必要以上に振り返ったり必要以上に未来志向ではない方には向いている映画かと。
つまり普通に生きる人間にとっては心地よい映画なんですよね。
夏休みの朝顔の観察日記を間宮兄弟の日常、と考えれば話は早いです。
あのちょっとしたドキドキ感とちょっとした嬉しさとちょっとしためんどくささと
ちょっとした切なさが、転がっています。
「小津ごっこしてるだけだろ?!」だけじゃないんです。

2008-07-24

ロックステディ in 関西!!!/「宿無し犬」

鴨井ちゃん!

えー、今日は社長出勤にて九条の映画館へ。
(注釈:今年四月大阪で行われた、故:田中徳三監督追悼上映会での出来事です)

何と言っても今回の特集上映でいちばん楽しみにしていたと言っても
過言ではない、田宮二郎さん演じる鴨井大介デビュー作!「宿無し犬」だけを
観る為に!!!!そしたらビックリ。日曜日だっつーのもありますが
鴨井スキーが70席あるか無いか?ってくらいちっこい映画館に
30人以上集まっておりましたよ!!!しかも「悪名」ん時みたく
オッサンだらけというわけではなくて、意外と若い客層!!!
比較的若人に鴨井ちゃんのクールさがそこそこ極地的とはいえ
認められてんのねー?!って感じで実に嬉しかったです。
鴨井ちゃん…、ほんっとーにクールだもんなあ。しかもただただ
クールなのではなくて爆笑も取れるぜ!みたいな。銃が大好きで、
誰に対しても言いたい放題やりたい放題して、可愛くて飄々とした
裏の無い実に気持ちのいい、竹割ったどころではないほどスッキリした
いい男なのです。ぴっかぴかなんだけど優しい割には超強かだし。
とてもかっこいい漢。女に対する情にもろくて調子こいてる事が
多いのに、筋はきちんと通す。だからこそ?そして?モテる。
ショボクレ(何かと鴨井ちゃんを助ける木村刑事:天知茂さんだ!)
との丁々発止のやり取りも楽しいぞ!ショボクレは結構ってかかなり
落ち着いてるのに全く落ち着きの無い鴨井ちゃんとのツーショットが
素敵です。そのくせお互いケチ(というかビンボー)だから
うどん代如きで揉めたり…。突っ込みどころが多くて、なおかつ
酔いしれてしまうほど香り高い、名作ですよまさしく!!!
額面通りの事は絶対にしない、そんな鴨井ちゃん。でも自分の
決めた事は何があっても曲げない漢。少なくとも私的映画史上に残る
名キャラです。そんな名キャラを日本映画史上最強の河内弁トーカー、
田宮氏が生き生きと、軽妙に演じておられます!ほーんっとに、
この御方の操る河内弁は聞いててメタクソ気持ちいいなあ。
ものすごいグルーヴ感がございますよ。下品な言葉遣いなのに、
何故か品があったりして。さしずめ彼の操る河内弁は英語で言うなら
ロンドンの下町訛り代表、コックニーのようです。マイケル・ケインが喋るコックニーと
同じで田宮氏の河内弁は名人芸の域です。 生命感あって、軽々と、真剣に生きてて、
メッチャクチャに伸びやかで。下町の不良少年がそのまんま大きくなったような
鴨井ちゃんを完璧にモノにしてますわ!猥雑で、えーかげんで、
テキトーで、熱い。泥臭いけど汗の臭いがしない。勿論ダサくない。

やっぱ河内弁喋ってる田宮氏が一番好きだ!

でもって全編通してめっちゃ御洒落〜!!!!オープニングからして
昭和ジャズのオッサン声ハミングで渋いの何のって。その超絶な
御洒落さ加減に田宮氏の粋で伊達でハイカラ過ぎる圧倒的な存在感が
加味されてもう私には何も文句が言えないわ!眺めてるだけで
心の底から幸せな気持ちになります。嬉しくなります〜!!!!
「悪名」二本、三回観てなくて惜しい事したなーとか思ってましたけど
「宿無し」銀幕で拝むのを一番楽しみにしてたんだからまーそれでも
いいかな〜っと、思えました。 あまりにも御機嫌さんで、あまりにもかっこいい、
くそクールな漢が観たければ、このシリーズ嫌になるまで、穴が開くまで観なさいよ!と
言っときます。男子必見ー。感無量です。

鴨井ちゃんの事語らせれば私、三日三晩です。
言葉ビンボーだから上手く説明出来ないんですけどね。
観る機会があるのであればメシ抜いてでも観るべきです。
メシ抜きででも「犬」シリーズを騙る事が特技の私はそう思います。
グルーヴィー極まりない名作っす!!!マジで最高です。

いい男で幸せになりたいのであれば、観てね。
超ド級にとっぽくて洒脱でオフビートで軽くて切れ味バリバリで
すげーポップで尖ってるのにギスギスしていない、ダーティだけど
実に実にまろやかないい男がそこに居ますので。やくざ者の
いいところだけを凝縮したような、カタギ者には死んでも醸し出せない
「不良」の理想形がありますよー。崩れたかっこよさ、ってもんが
画面いっぱいに溢れ返ってます!お門違いかもしれませんが、
ミュージシャン萌えの女も必見だわよ。

ゴキゲンな不良って、いいよなあ。
ゴキゲンで器が桁違いにでかい不良って、いいよなあ。
呆れるほどイカすぜ鴨井ちゃん!!!
鴨井ちゃんに逢いたければ今のところ、ビデオを
頑張って探すしか無いのが哀しいところです…。
DVDになっていない映画でたいへん申し訳ありません!!
でも、何でこんないいシリーズ、DVDにしないんだろう…???

うわっ画像でかっ!!!!!!

2008-07-24

負けるかーーーーーーーーーヴォケええええええ!!/「大殺陣 雄呂血」

大殺陣 雄呂血


えーこの映画、まずオリジナルが阪妻さんです。
勿論サイレント。ですがビンボー人の私はまだ観れてません…。
なので恐らく大物量作戦に出たであろう雷蔵さんのカバーバージョン。
…すんげー気合の入る、パンクスピリッツ全開の映画でした。
まず、どこぞのぼんぼんが人斬りをやらかしてしまいます。
しかも後ろから斬る、という卑怯っぷり。そこでバレては事による、
というわけで身代わりの犯人、下手人を仕立て上げられてしまう事に。
それが主人公。彼は剣術道場師範代を務めているほどのやり手にして
常識人。そんな彼がじーさまに諭され一年経ったら無実を証明するから
と秘密裏にオファー承諾後出奔。なのに出奔先でコソ泥に財布
パクられてからがケチの付き初めで、無実を知るじーさまにも
死なれるわ又聞きしてた奴にも寝返られるわで犯人と思われたまま
元のお仲間に追われて自分が裏切られた連中にも追われて
フィアンセが自分の行く先を追うのも知らず、段々と落ちぶれて
超厭世な浪人に。その間も追っ手を次々と始末せねばならず、
大怪我した時に下心無く助けてくれた女にも死なれ、もう何も
絶対信用出来ん状態に。そしていい加減こんなへヴィーな生活にも
疲れ果てた頃、とある売春宿で自分同様落ちぶれて遊女にまで
身をやつしてしまったフィアンセと宿命の再会をしたものの、
売春宿の外にも中にも一面見渡す限り敵とお上に包囲されてしまい…。

ああ〜、どんだけへヴィーなの!!!んが。この映画、
散々裏切られてひでえ目にばっかり遭遇し倒した末にとーとー
ブチ切れた主人公のラストバトルがそりゃー!!!マジで
とんでもない事になってました。敵がゆうに百人単位で??
いるのですよ。とりあえずフツーの人数じゃないです。
それこそ湧いて出て来た!ってくらいアホみたくいます。
尋常じゃない数いました。今まで色々見聞きした映画の中でも屈指の
人数誇っておりましたよ。てか前人未到ってくらいのもんのすごい数。
それを斬って斬って叩っ斬りまくる主人公のタイトル通りの
気合も尋常じゃなかったですわ…。もうパンクスピリッツ以外の
何ものもないほどの気合。敵も味方もどいつもこいつも全員斬る!!!
その時のテンションが凄過ぎです。壮絶も壮絶。マジで圧倒…。
転げ回ってのた打ち回って走り回って斬る斬る斬る斬る。
自分のせいじゃなくて他人のせいでノーフューチャーになってしまった
運が悪いにも程がある主人公のキレっぷりが…。ノーフューチャーで
キル&デストローイ!!!!もうそうするしか無かったんだよ!!
だからどーしろってんだよ俺によーーーーーーーー!!!!みたいな。
出てこーーーーーーい!!!とか絶叫して暴れる暴れる。
自分とフィアンセ以外、それこそ世界を敵に回してしまったかのような
感じで怖いの何の…。縛られよーが何されよーが絶対諦めないのです。
そして、フィアンセに「運命に負けてはいけない、生きろ!!!!」
と言うのです。負けてたまるか!と…。その勢いたるやほとんど
マカロニウエスタンばりでした。常々マカロニ観ててどういうわけか
パンクスピリッツかきたてられてしまう私としては、こんなの観て
それが燃え盛らないわけがない!!!信じられるものは世界には無い、
でもだからどーした!!俺は俺でやるしかねーんだ!!!!という。
俺と愛する女以外、カタは命がけでつけてやる!!!という。
その命がけの気合が…。私が勝手に思ってるだけのパンクスピリッツに
火をどぼどぼ注ぐだけ注ぐ事に!!!明らかに勘違いしてますけど、
何かその異常な怒りと諦念とニヒリズムと何やかやが凄まじくパンク。
それ以外に言葉貧乏な私は説明のしようがありません。
多分私は本当に何もかもに絶望してしまった時に、死にたくなった時に
この映画を観る事でしょうね…。現状打破を無理矢理にでもしなければ
ならん時、心底みーんなふざけんなと思った時に観る事でしょうね…。
ハードコアもハードコア…。ドシャメシャでムチャクチャです。
何だこの勢い、ってくらい。お尋ね者の、たったひとりの叛乱。
そこにはペンペン草一本も生えないのですよ…。パッと見、かーなーり
陰惨な映画ですが私はこの映画、断固支持。

運命に負けてはいけない、生きろ!!!!

あまりにもハードですが、あまりにも真摯な願いにアゴ外れました。
腰抜けました。椅子からズリ落ちました。ドッと疲れました。
でも、やっぱりいつの時代もやる事だのオトシマエだのは
テメーできっちりつける以外、きっと無いのですよ…。まして
自分を世界に粉々にされたのなら。された事があるのなら。
怨みより速く、斬れ。憎しみよりも速く、斬れ。
怒りと悲しみしこたまこめて、命一杯振り返るのだと。
逃げ場も挫折もそんなもん、おととい来いと。
雷蔵さん、それこそショッキングなくらいかっこよかったなぁ。
腹と腰と目が完璧に据わってましたよ。

人生最悪?だから何だっつんだ!!!

2008-05-06

刺客それぞれの生きざま/「ローグ・アサシン」

ジェット・リーさんとジェイソン・ステイサムさんが「ザ・ワン」以来
二度目の競演!という事で盛り上がりつつ観た一本です。
「ザ・ワン」ではまともに競演していなかったので(あんなもん競演のうちに入らん)、
正面切って衝突しまくってるもんだからそりゃー盛り上がるでしょーよ〜。

誰が本当の暗殺者なのか?!ヤクザと中国マフィアの二股刺客なのは
誰なの?!裏切り者は誰だよ?!おまわりは必死だ!ってそんだけの
お話です。結構面白かったですけど、オチの強引さにアゴ抜けました。
ナンボ考えても落とし方の意味が解らなーーーーーーーい(バカ)
とはいえコレいったいどこの国の映画なんだよ?!という底抜けな
メチャクチャ日本描写&ステイサムのヘンな日本語でヒーヒーと
笑い転げてました。「掃き溜めに鶴」の張り紙、なんだよあれ(苦笑)
石橋稜さんが日本刀振り回すのはいいけど腰引けまくりで落ち込んだり
デヴォン青木さんとケイン・濃過ぎさんの扱いがあんまりで凹んだり
ジョン・ローンさんの扱いも(以下略)、なのですが骨太ガチアクションは
すんげー決まってましたね。ジェット・リーがガチなのは解るにしても
ステイサムが正直あそこまで頑張れる奴だったとは驚きー…って
別にそんな事考えなくても頑張れる方ですけどね。英吉利人のくせに。
毛唐アクションスターさまの中でも今一番体張ってる奴でしょうなあ。
ごつくてハゲでオヤジという暑苦しいにも程がある見かけ故か
何やろーがナンボ殺そーが一定の涼しさというか安定感のある
ジェット・リーと並ぶと好対照でかっこいいです。その前に実は
競演してた「ザ・ワン」ではそれほど見せ場なかったので。にしても
ジェット・リーはほんとに渋くなりましたよー…。渋くて残虐!!
相変わらずレンズ小さいグラサン絶望的に似合わない事を除けば(涙)
すっ飛んだ動きの高速っぷりとか色々考えてみても。お話はバカなのでどーとでも…orz
あと、吹替え音声ではジェット・リーを長年香港時代、辮髪時代からアテ続けて来た
シャアの人、こと池田秀一さんが手掛けていらして、感涙でしたね…。
ジェット・リーは元々池田さんがアテ続けて来たリー・リンチェイだったのさーー。
何で聖林行ってから今まで池田さんじゃ…(池田リンチェイ好き)
テキトーに前のめりしつつダラダラ観るのが一番ですよー。

んがしかし。ステイサムが山路ステイサムじゃないので、
そこが減点でしょうか???こんだけの豪華キャストなのに、
池田リンチェイが復活してんのに何で山路和弘さんじゃないんだよー!!
何で山路ステイサムじゃないんだよー!!!バカアクションは基本
日本語音声でしか観ない主義(かなりどうでもいい主義主張)の私が
期待したのはそれなのに…。池田リンチェイvs山路ステイサムで
大萌え、じゃなかった大燃えする予定だったのに。
きちんとそういう末端ユーザーの淡い期待にも応えて下さいよほんとにー。
プロフィール

MUMMIE

Author:MUMMIE
どうも、初めまして。
思った事しか書いてません。書けません。
そんな適当な代物でたいへん恐縮なのですが、
意味不明な記述も多過ぎるかと思われますが、
趣味趣向もそーとーに偏っておりますが、
気合入れてみます。どうぞ宜しくお願い致します。

只今、画像がきちんと表示されていない箇所が
多々御座いまして、見辛くなっております。御詫び申し上げます。

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